「杉本博司」展
人類史を「装うこと」から考察する−。そんな壮大な試みに、写真家・現代美術家の杉本博司(64)が東京・北品川の原美術館で挑んでいる。題して「杉本博司 ハダカから被服へ」(7月1日まで)。
展示されているのは、博物館の猿人のジオラマやろう人形館の展示を収めた写真から、サンローランや三宅一生らがデザインした衣服を「彫刻」としてとらえた写真まで。「人間がほかと違うのは、自意識、恥ずかしさから、裸ではいられないこと。衣服は性器を隠すことから始まり、階級社会のシンボルにもなった」
その流れをたどるために写真ごとに「紙芝居仕立て」で杉本による長いキャプションがついている。
一方、庭には安い竹ぼうきで生け垣も作った。「静謐な写真のイメージがあるかもしれないが、ふだんは悪い冗談ばかりを言っていることを表に出した」のだそうだ。東京・銀座のギャラリー小柳でも6月23日まで個展を開催。 (大西若人)
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