2011年8月15日月曜日

◆8月24日(水)オープンカレッジのお知らせ◆


美術、その仕事へのアプローチ2「美術とイラストレーションの実際」
担当講師:建石修志

美術とイラストレーション、共に絵を描く事は同じながら、成り立ちの違いなどを検証し、その関係を探る。

2011年8月7日日曜日

◆8月10日(水)オープンカレッジのお知らせ◆

美術、その仕事へのアプローチ1「アナログとデジタル、その相互作用」
担当講師:亀井清明

3Dクリエーターの実際の仕事を紹介。
アナログとデジタルが相互に関連しあうプロセスを学ぶ。

2011年8月1日月曜日

 ふたりのヌーヴェルヴァーグ(729asahi)

時代の旗手の共闘と対立



 パリ。1950年代から60年代。ヌーベルバーグ=新しい波と呼ばれた若い映画人が、古い体質の映画界、巨匠たちに挿さぶりをかける。先頭に立った批評家で映画作家のジャンリュック・ゴダールとフランソワ・トリュフォーに焦点を絞るドキュメンタリーだ。
              
 トリュフォーの「大人は判ってくれない」、ゴダールの「勝手にしやがれ」を土台に、貴重な未発表のフィルム・写真を挿入し、彼らの足跡を追う。生まれも育ちも違うふたりが、映画を通して出会い、友情を育み、共に戦い、決裂していく過程は、映画よりも鮮烈だ。
 彼らを知らない新しい世代のアントワーヌ・ド・ペック(脚本)とエマニエル・ローラン(監督)は、敬愛の念を抱きつつ、歴史的背景も正確に追う。神話化しないのがいいが、付け足した現在の部分は甘い。
 「大人は判ってくれない」のカンヌ映画祭出品を決定したのは作家で文化相アンドレ・マルローなら、シネマテーク館長をクビにし、映画人を決起させてしまうのも彼。時代は映画を超えて、68年、五月革命へなだれ込む。映画祭を中止に追い込む場面で、ゴダールはより政治的立場をとり、映画だけを愛するトリュフォーは躊躇し、微妙なズレを映像はとらえる。ここがふたりの分岐点であった。
 「大人は判ってくれない」の主役に選ばれたジャンピエール・レオーのテストフィルムは少年の輝く瞳を捉えて素晴らしいが、彼らの絶交で、その後のレオーの運命も引き裂かれる。
 50年代末、彼らのシンパ的製作者の一人ボールガールの隣に私の事務所があったので、新旧世代が激しく対立し、互いを焼きつくす現場を近くで見た。懐かしいより痛い記憶だが、映画を愛し、みんな若かった。(秦 早様子・評論家)
 30日から東京で公開。