2011年6月19日日曜日

スペインの授貴式で原発批判(610asahi)



 スペイン北東部のカタルーニヤ自治州政府は9日、バルセロナの自治州政府庁舎で、人文科学分野で功績のあった人物に贈られるカタルーニャ国際賞を作家の村上春樹さん(62)に授与した。村上さんは受賞スピーチ=写実、ロイター=で、東日本大震災と福島第一原発事故に触れ、原爆の惨禍を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。
 「非現実的な夢想家として」と題し漑スピーチで、村上さんは震災後の日本がやがて「復興に向けて立ち上がっていく」とした。ただ、福島原発事故については、広島、長崎に原爆を投下された日本にとって「2度目の大きな核の被害」とし、今回は「自らの手で過ちを犯した」との厳しい見方を示した。
 村上さんは、過ちの原因は「効率」優先の考えだとした上で、政府と電力会社が「効率の良い発電システム」である原発を国策として推進した結果、地震国の日本が世界第3の原発大国になったと指摘。原発に疑問を持つ人々は「非現実的な夢想家」として退けられたと批判した。その上で「われわれは持てる叡智を結集し原発に代わるエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった」とし、それが広島、長崎の犠牲者に対する「集合的責任の取り方となったはずだ」と述べた。 (共同)

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