2011年5月12日木曜日

若者の反原発デモ広がる(510asahi)

「議論はもう限界、行動しかない」
 福島第一原発の事故を機に、東京都内で反原発デモが相次いでいる。知識人の参加も目立つ。
 日本消費者連盟などが参加する実行委貞会が主催して4月24日に都内2カ所で開かれた集会とデモには、主催者発表で計約1万人が参加した。デモの列の一つには評
論家、柄谷行人の姿があった。
 「デモに来るのは50年ぶり」と柄谷。「デモは一番大事な原点。どこの国でもやっているのに、日本では議論はあっても行動がない。もう議員や評論家には頼めない。今は、物を書くことよりデモをすることが大事だ」と寮る。
 「日本でデモがなくなったのは1970年代から。原発が増え始めたのと同じ時期だ。政権交代があっても何も変わらなかった。デモをやるしかない」柄谷に誘われて参加した北大教授の政治学者、山口二郎は「デモクラシーは議会の中だけではなく街頭にもある」と話す。「政権交代には限界がある。社会の力で現実を変えていかないと政府もついてこない」とデモの意義を改めて強調した。
 新しい動きもある。リサイクル店ー素人の乱」などを経営する松本哉らが呼びかけた超巨大反原発ロックフェスデモ」が4月10日に高円寺で行われ、今月7日にも渋谷で同株のデモがあった。ともに主催者発表で1万5千人が集まった。主催者による団体動員はなく、インターネットを通じてデモを知った20代から30代の参加者が中心だった。
 7日のデモ出発前の集会でマイクを握った首都大学東京教授の社会学者、宮台真司は「デモは単なる出発点。政治家には落選運動、企業には不買運動といったピンポイントで有効な徹底した社会運動を展開していかなければならない」と訴えた。 (樋口大二)

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