2010年6月27日日曜日

7/17(土)オープンカレッジのお知らせ

然、無意識のデッサン


建石修志

M・エルンスト
 

「美術学科」今期2回目のオープンカレッジです。

1920年代、シュルレアリスムの活動の中で、オスカー・ドミンゲスによって発明された技法であるデカルコマニー、またマックス・エルンストによって開発されたフロッタージュ、共に偶然性を、ただ単に偶然として考えるのではなく、人間の無意識と通底した、深く、また広い領域にわたって展開された方法であります。
所謂「制作」が、人間の主体=意識によるものであるのに対して、この技法は、意識に隠れた広大な無意識を白昼に曝け出そうとした「無意識のプロジェクター」のようなものです。ロールシャハ博士の考えたロールシャハ・テスト、フロイト博士が考えた「自由連想法」、シュルレアリスムの「自動記述法」。無意識を引き出すための様々な方法と繋がりながら、同時に「世界創造」として「制作」に取り込まれたのが意味深い。多くのシュルレアリストが作品化したように、混沌(カオス)から秩序(コスモス)へのプロセスは、「制作」が本来抱え込んでいた構造と完全にダブルであろう。
デカルコマニーは、混沌とした森から、様々なイメージを生成させるための装置です。
また、「フロッタージュ」は事物の表面を擦り取る方法ですが、それはとりもなおさず、文明の表層の採取でもある。「表層」も時代を読み取る重要なキーワードなのです。

オープンカレッジでは、デカルコマニー、フロッタージュの技法を体験して頂いて、「ものを作る」こと「絵を描くこと」が筆や絵の具で描くことだけではなく、とても広く、深いものと繋がっていることを実感して頂きたく思います。
お待ちしています。

O・ドミンゲス

M・エルンスト

真壁智治(「遊」“相似律”より)

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