チンパンジーの母親が死んだ子どもをミイラ化するまで背負い続ける例を、京都大学霊長類研究所の林美里助教、松沢哲郎教授らが同じ群れで複数観察した。ヒトが死者をとむらう行動の起源ではないかとみている。27日付米生物学誌に発表する。(瀬川茂子)
ミイラ化した子供を背負うジレ=京都大霊長類研究所提供弔いの起源? チームは、西アフリカ・ギニアで野生チンパンジーの群れの調査を30年以上続けてきた。ジレという名前のチンパンジーが1992年に病死した2歳半の子どもを27日間以上、2003年にも病死した1歳の子どもを68日間背負い続けた。ジレだけではなく、同じ群れの別の母親も死んだ
2歳半の子どもを19日間背負った。
3例とも死体はミイラ化したが、母親は生きている時と同じように毛繕いをしたり、体にたかるハエを追い払ったりして、子どもに愛情を示しているようだった。生きているときと背負い方が違い、「死んだことは理解している」とチームはみる。
「ヒトが死者をとむらう気持ちも進化の過程で生まれた。死んだ子供によりそうチンパンジーの行動に、その起源があるのではないか」と松沢教授は話している。
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